はじめに

 これまで日本児童文学史資料を記録したものに、当国際児童文学館の事典編集や雑誌復刻、あるいは、日本児童文学学会編の事典など多くの先行業績があります。今回はそうした先行研究を参考にしつつ、その本にかけた作者や出版社の情熱、読者の熱い思いを記録したいと思いました。とりあえず今回は客観的記述を中心にして、1点ずつの書誌をより精確に記述し、解説を記すことにしました。
 取り上げた本は、児童書のうち、文芸書・読物・詩集・戯曲集・絵本・マンガです。原則として、翻訳・ノンフィクションは省きましたが、特に明治期児童文学をみる上で重要な数点は取り上げることにしました。選んだ基準は、将来に残したい本、時代を代表する本(ベストセラー)、後代に影響を与えた本としました。



凡例
●解説には、作者、叢書、出版社や研究文献については他日を期することにして、今回はしるさないことにしました。
●書名:角書などの副書名を除いた書名。
 原則として表紙に記された書名。表紙にない場合は、背、内題、奥付の順位で示しました。
●フルタイトル:角書や副題つきの書名のこと。
 角書と本題との間は |(垂直バー)で示しました。
 (例)イーハートヴ童話|注文の多い料理店
 角書が2行割のときは / (スラッシュ)で行割りを示しました。
 (例)おとぎ/ばなし集|赤い船
 副題は ― の後に示しました。(例)七階の子供たち―塚原健二郎童話集―
●著編者:表紙などに記す著編者名。著、作、編は原本表記にしたがいました。
●全枚数:表紙を除き見返しを含めた枚数。
●用字:旧漢字は新漢字に統一。旧かなは旧かな使用。変体がなは新字体に統一。踊り字記号は開いて「くるくる」のように示しました。
●内容細目のうち、詩・童謡作品には詩または「童謡」、解説・序文などには「論」と備考に記し、童話・小説にはジャンルを示していません。


ご協力いただいた機関

資料の調査および画像掲載等にあたり、次の機関及び出版社の多大なるご協力をいただきました。
心より感謝申し上げます。

・国立国会図書館
・国立国会図書館国際子ども図書館
・東京都立図書館(多摩図書館) 
・神奈川県立神奈川近代文学館
・三康文化研究所附属三康図書館
・株式会社 講談社


画像について
 ホームページ上の表紙や挿絵画像は、装幀をされた方の厚意によって掲げることができました(ただし一部連絡がとれない方があり、関係の方のご連絡を待ちます)。厚くお礼申しあげます。なお、著作権保護に触れますので、当ホームページからの画像の無断複写はお断りします。


「日本の子どもの本100選」編集委員
 向川幹雄(代表) 遠藤純 畠山兆子 藤本芳則